ホンダ カブ(ホンダコレクションホール所蔵品鑑賞:その3)
今日は、雲一つない冬晴れで、寒いけどサワヤカな一日。正月休みまで、あと10日頑張ろう!
↑「それは、ひと箱の段ボールから始まった・・・」ってな感じの展示。輸出も意識したのか、すべて英文表記になってるところがスゴイですが、コレが昭和20年代のパッケージだと考えると、どう考えてもモダンなデザインです。Cubのロゴが、またオシャレ。
↑「カブ号 F型 発送用荷姿」とあります。なんと当時の段ボール箱を復刻したモノなのだそうです。段ボール箱すら珍しかった当時、このモダンさは、全国津々浦々の自転車屋さんを驚かせたコトでしょう。この原初のF型セットは、エンジンのカバーが赤かったコトから通称“赤カブ”なんて呼ばれております。水筒の様な白いフューエルタンクも可愛いですね。
↑「世界一であってこそ 日本一」「買う人が得をし 生産者が得をし 自転車屋さんも得をします」・・・なんとも素晴らしい当時のキャッチフレーズの数々。故松下幸之助翁の「共存共栄」思想にも似ています。「自転車に心臓をつける・・・」このシンプルな理念こそが、原動機付自転車の本来あるべき姿であったのです。爾来70年近く以前の免許制度が今だに生きているけれど、現在では電動アシスト自転車がコレに該当するような気がいたしますが、そろそろキチンと免許制度や課税方法を見直すべき時期に来ているとは思いませんか。ついでに、自転車が車道を走る現行法は、救いようのないホドの悪法なので、速やかに従前の法律に戻して欲しいと切に願います。40キロ以上のスピードが出せるロードレーサーやピストバイクと、ママチャリが同列に一括りなどというのは、あまりにもムリがあり、危険極まるとワタシは思っています。
↑そのF型カブ号の、さらに原型と云えるのが、この第一号試作エンジン(自転車用補助エンジン)ユニットなのでしょう。ナニがスゴイって、フューエルタンクが“湯たんぽ”の流用品であるところを刮目して御覧ください。湯たんぽが自転車のフレームにゴムバンドで縛り付けてあるダケ・・・今や“世界のホンダ”も、こういったところからはじまっているのだと思うと、心が温かくなるというものです。
↑そんなF型カブ号も、モノの10年も経たぬうちに、御覧のスーパーカブへと大進化を遂げました。OHVエンジンを搭載した赤いシートのオリジナルスーパーカブは、御蕎麦屋さんのバイクというイメージさえ固定していなければ、オシャレなモペット然としております。しかしながら、宗一郎さんは、御蕎麦屋さんが片手でソバを抱えられるように(左手を開放するため)、クラッチレバーを不要とする自動遠心クラッチすら、このマシンのために開発して装備いたしました。現行法では、二輪の片手運転などもちろん御法度なのですが、当時の慣習に沿った製品開発をトコトン愚直に行った真摯な企業姿勢には、感嘆の他はありません。「宗一郎さんのホンダ」は、本当に血の通った消費者目線の製品を、数々世に送り出し、現在まで続く「世界のホンダ」となったのです。今のHONDAにも“ism”を思い出して欲しいなとは思いますが、まぁ、難しいんダロな。
それじゃー、また明日。
マセラティでイッてみよう!Part2・Part3・V3(ブイすりゃ~)を通したすべての過去記事への一気到達用ページ(このページが便利です。“お気に入り”にブックマークを!)を新設いたしました。
このブログを読んで、マセラティを初めとするイタリア旧車の世界に足を踏み入れたくなってしまったアナタ(あんまりいない様な気がするケド:笑)は、マイクロ・デポ株式会社の公式ホームページ「マセラティに乗りませんか・・・」の方ものぞいて見てくださいね。さらにディープなネタ、やってます。